「店舗付賃貸住宅」計画の落とし穴
工事費を店舗と住宅に分けてみよう

2001-8-22

業者からいろんな建築企画の提案を受けておられる方も多いと思います。
 
あなたの土地が仮に、店舗に利く立地だとします。当然、工事費が安くつき、家賃の取れる店舗を業者は計画するはずですね。(一部の住宅メーカーを除いて)
 
さらに、1階だけの店舗では容積が余り、土地の高度利用が図れないという理由で、上階に賃貸住宅を計画するはずです。
 
設計者(特に、建設会社)は、容積一杯に計画する習性?があります。容積率が200%あれば、神技のように199%の計画を作ります。工事費を増やすためだけではありません。容積を余らせないように計画するのがお客さまのため、と信じていたりします。
 
通常、店舗は利回りが良いため、その上に利回りで劣る住宅を載せると、全体の利回りは多少下がります。しかし、利益の総額が増えたほうが良いことから店舗付賃貸住宅を計画します。
 
問題なのは、建築工事費が高くつき、住宅からの利益がほんのわずか、もしくは、赤字で、利益全体を引き下げてしまうことです。店舗で利益が出ていれば気づかないのです。
 
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
 
設定家賃に合わないグレードの高い建物を計画してしまうと起こります。
 
それは、建築工事費を積算するとき、店舗と住宅とに分けないように、収支も分けずに店舗付賃貸住宅として作成されるため、それぞれの利回りを判断することもなく、「この計画は利回りはもうひとつだが、黒字だから、マア〜いけるだろう」となるのです。これでは、住宅を上に載せるメリットはありません(住宅の節税効果は別)。借金を増やすだけです。
 
以前でしたら、相続税対策を目的にされる場合、借金を増やす必要から、利回りが悪くても黒字であれば建てたかもしれませんが、今では、もっと慎重に建てるはずですね?
 
言ってみれば簡単な話ですが、気づかないだけで、よくある話です。
 
そこで、業者に建築工事費を按分してもらい、店舗と住宅の利回りを個別に判断すべきです。住宅家賃に見合ったグレードの建物にするか、自己資金を出すか、平屋の店舗だけにするかなどを、検討する必要があります。
 
店舗は、内装や水廻りなどの設備は工事範囲に含まれていません。テナント側の工事になっているのが普通です。だから、住宅より工事費は安くつきます。ただし、按分方法は積算担当者の考え方により異なりますので、正確に分けることはできません。しかし、店舗と住宅の相対的な比較ができますので、問題点の発見に役立ちます。
 
また、住宅建設には固定資産税や相続税の節税効果もありますから、あわせて住宅部分の検討をしてください。
 
簡単!採算性判定法も参考にしてください。

 トップページ