建物の保証はどうなっているの?
民法・約款・住宅品確法の関係と注意点

2001-10-15

新築の建物には、いろんな不具合が出てきます。
 
いくら有名ブランドの建設会社に頼んでも避けられないでしょう。現場監督の能力も関係します。施工の問題ではなく、設計に原因があることもあります。
 
そんなとき、建物の保証はどうなっているのか気になりますね。
 
民法では、木造については引渡後5年間、それ以外の堅固な建物については引渡後10年間のうちに瑕疵(不具合)が発生した場合、それが生じてから1年以内であれば、補修または損害賠償の請求ができることになっています。(民法第638条)
 
しかし、この期間は特約により短縮することもできます。(民法第639条)
 
そのため、実際の工事契約では、建設会社に有利なように短縮されています。たとえば、よく利用されている民間(旧四会)連合協定の工事約款では、木造は1年に、それ以外の堅固な建物は2年になっています。
 
ただし、賃貸を含む住宅は、平成12年4月1日以降の工事契約から、基本構造部分の不具合については、最低10年間の保証が義務付けられました。これは、期間を短縮したり、保証範囲を狭めることはできません。木造と堅固な建物の区別もありません。(住宅の品質確保の促進等に関する法律)
 
 
これで問題がなくなったわけではありません。なぜなら・・・
 
 
店舗や事務所などの非住宅建物は、対象外のままです。
 
水まわり関係など、トラブルの多い部分は含まれていません。
 
先ほどの基本構造部分というのは、
 
○屋根、柱、床、基礎など、建物の構造耐力上主要な部分
○屋根、外壁、窓など、雨水の浸入を防止する部分
 
に限定されています。
 
重要な部分ですから10年保証になるのはよいことですが、現実に問題が起こる可能性の少ない個所でもあります(雨漏り以外、発見しにくいという理由もありますが)。この基本的な重要部分で問題が出るような施工だと、それ以外の個所でもトラブルが発生していると思われます。
 
屋根の防水は、もともと10年以上の保証がつきます。外壁の防水と、不同沈下による建物の傾斜が10年間保証になったのは、建設会社には厳しいですが、建築主には◎です。
 
 
【その他の注意点】
 
瑕疵を見つけてから1年以内に修理の請求をしないと、時効にかかります。請求を遅らせると、保証期間内でも認められません。
請け負った建設会社が倒産すれば、保証はなくなります。
ほとんどの建設会社は、建物の保証書を発行していません。工事契約の約款に、分かりにくい文章で保証に関係する記述があります。契約前に説明を受けるようにしてください。 
保証は工事契約を交わした当事者間でのみ有効です。建物を売却されると購入者に保証は引き継がれません。
瑕疵かどうかの判断で建設会社と揉めた場合、立証は建築主側がすることになります。
住宅の品質確保の促進等に関する法律では、特約を結ぶことで基本構造部分以外も含めて、保証期間を20年まで伸ばすことが可能です。ただし、建設会社の任意です。 
 
※法律問題に関しては、弁護士にご相談ください。


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